おおや耳鼻咽喉科では新型コロナウィルス感染症対策をした上で、診療を行っております。症状が疑われる方は事前にお電話ください。

鼓膜切開と鼓膜換気チューブ留置術

発熱や耳の痛みが強く症状が重い急性中耳炎や、鼓膜の奥に液が溜まる滲出性中耳炎で治りが悪く長引くもので必要に応じて鼓膜の切開や、チュービングを行います。

■鼓膜切開について

鼓膜の奥に貯まった液を排出するため鼓膜を数ミリ切開します。 切開の前に鼓膜に麻酔をしますので痛みはほとんど無く、処置自体は数分で終わるため診察や麻酔を合わせても日帰りで処置できます。 鼓膜を切開することで鼓膜の奥(中耳)に溜まった膿や貯留液が排出されるため、症状が軽くなり、ずいぶんと楽になります。

■鼓膜換気チューブ留置術

治療を行っても中耳に貯まった液が排出されず、長期間液が貯まった状態が続く場合は鼓膜換気チューブ留置術を検討します。 鼓膜は再生力が強いので切開をしても自然と穴が塞がってしまい、中耳に貯まった液の排出が止まってしまうことがあります。 そのため、数ミリのチューブを鼓膜に挿入して穴が自然と塞がることを防ぎます。 チューブはある程度の期間が経てば自然と抜け落ち、鼓膜の穴も塞がります。 症状が治まった後にもチューブが残っている場合はチューブを除去します。 チューブを挿入するといっても切開同様処置自体は数分で終了し、麻酔や診察を含めても日帰りで処置が完了します。 当院ではチュービングの際には穴の残りにくい短期留置型チューブを主に使用しますが、頻回にチューブの脱落を繰り返す場合や、難治性で長期の留置が良いと思われる場合には長期留置型チューブをお勧めする場合もあります。 この場合、手術の間じっとしていることが難しい幼いお子様では他院をご紹介して全身麻酔下でチュービングをしていただく場合もあります。

■鼓膜の穴が塞がらない危険性について

鼓膜切開でも鼓膜チューブ留置術でも鼓膜の穴はほとんどの場合自然に塞がります。 ただまれに鼓膜の穴が残ってしまうことがあるため、いずれの手術でも鼓膜の穴が完全に塞がったのを確認するまで通院していただくことが大切です。

■処置後の注意点

処置当日はお風呂やシャワーを控えてください。
また、鼓膜の穴が塞がったのを確認するまではお風呂に潜ったり、プールへの飛び込みなど耳に強く水が入る行為は控えてください。
切開やチューブ後の状況を確認するために診察が必要ですので、次回の来院予約は確実にご来院ください。